Fスプロケットの交換とチェーン調整(FREERIDE250R)
FREERIDE250R(2015)には標準で違う大きさのFスプロケットが付属されます。
納車時に付いているのが14Tで舗装路の走行も考えられたセッティング、もう一つは加速重視の12Tが付いているのです。
正直14Tでも十分なパワーはあるのですが、せっかく付属されているものなら試してみたい。実は「12Tが本来のフリーライドの性能が発揮できるセッティングである」というKTMからのメッセージだと解釈することにしました。
取り換えてくれと言わんばかりに付属されちゃ、こちらとしては素直に釣られてみることにします。
リアタイヤを外す
スプロケットを外すには、まずチェーンを外さなくてはいけません。いくらオフ車のゆるゆるなチェーンといえど、リアタイヤを外さないと無理です。
まずアクスルシャフトを外す
27mmのアクスルナットを外します。高トルクな個所なので、ブレーカーバーは長めのものをチョイス。
チェーン調整スクリューを緩める
10mmのスパナを2本使って緩めます。
チェーンアジャスターに当たらなくなる程度緩めればオーケー。
お次に、シャフトを手で叩いて反対側へ押し出し、引っ張って抜きましょう。
シャフトが抜ければタイヤを前にずらしてRスプロケットからチェーンを外します。
ここでようやくタイヤが外せる状態となります。
C型クリップを外す
まさかスプロケがクリップだけで留まってるとは思わずビックリしましたが、こういうモノであるとネガティブな考えは封印しました(笑)
ここで専用工具が威力を発揮します。
クニペックスのスナップリングプライヤー
軸用と穴用をサイズ別に数本持っています。
他の工具でもなんとか外せますが、作業効率が上がるので持っておいて損はありません。
こんなクリップだけで留まっています(笑)
そういえば、FREERIDE350はナットで留まってたのになぁ‥
250Rはこれでいいみたいです(笑)
まあ、考えても仕方ないので不具合が起きたら対処します。
14Tと12Tの大きさを比較
12Tのほうがずいぶん小さいですね。
14Tはまだまだ使えるので、パーツクリーナーで掃除して保管することにします。
Fスプロケット取付
各所グリスアップし外した手順の逆の工程を行います。
Fスプロケットが無事に取付できたらチェーンをはめて、チェーンカバーのボルトをしっかり締めます。
リアタイヤを取付ける
チェーン調整し規定トルク(80Nm)でアクスルナットを締めて完成。
と思いきや、チェーンが少々長い感じです。
この状態で走れなくもないのですが、やるならしっかりチェーン調整もしていきたい。
元に戻せなくなりますが、3分間考えた結果チェーンをカットすることとなりました。
チェーンを短くする
FREERIDE250Rに使われている純正チェーンは520VT2です。
DIDのホームページにはゴールドチェーンしかないので、KTM特注品かなにかでしょう。
このチェーンはクリップで留まっているタイプでまずはそれを外します。
専用プライヤーで外す
このプライヤーはこの作業する為だけに生まれた、ピンポイントな工具です。
工具マニアとしてはこういうの欲しくなるので買っちゃいますが、普通のプライヤーでも外せます(笑)
とはいえ、さすが専用工具。クリップに傷一つ付けず外せますので、再利用する方は便利かもしれません。
かし丸君でカット
二つのメガネレンチ(19mmと27mm)でかし丸君を締めあげていくと、ピンが反対方向から抜け落ちます。この作業は気持ちが良く楽しいですよ。病みつきになります(笑)
ピンを抜く場所はクリップが取り付けられていたジョイント部分とします。
同じ作業を違う箇所でも行う
チェーンを短くするのが目的なので、好みの場所にかし丸君をセットしてピンを抜いていきます。ここでの注意しなくてはいけないのが、チェーンのコマに対して向かって左側のピンを抜くことです。
2リンク短くなったチェーン
110リンクから108リンクにカットしました。
今回はチェーンを再利用しますが、ジョイント部分のみ新品を使います。
ジョイント方法は純正と同じクリップタイプのものをチョイス。
お色はゴールドのみなので致し方ないですね。
ジョイント部分に入念なグリスアップ
付属のグリスを塗りたくります。
シールリングを忘れずに装着してくださいね。
ジョイント部分の圧着
かし丸君よりも早く簡単に圧着出来るので、ウォーターポンププライヤーを使うほうが断然楽です。ただし圧着しすぎには注意が必要です。
ノギスで圧着具合を確認
うーん。金色が目立つなぁ‥
いっそのことゴールドチェーンに交換しちゃいたい気分です。
それはさておき、作業を進めていきましょう。
他のチェーンと同じ幅なら問題なく圧着されています。
締めすぎを防ぐ為、ノギスで計りながら圧着したほうが失敗しないと思います。
かし丸君で圧着すると、計る為にいちいち本体を外さなくてはならず作業効率は悪いです。
クリップを取付ける
またもや、専用工具の出番がやってきました(笑)
パチンと一撃で取り付けられるのでやっぱりお気に入り。
チェーンラインを調整
私の場合スイングアームのチェーンアジャスターについてるメモリを大まかにあわせて、最後は目視でチェーンラインを出します。
そこで役に立つのがチェーンアライメントツール。
使い方はチェーンに挟んで、まっすぐにあわせるといったやり方です。
目安の棒がチェーンとまっすぐ重なればオーケーとなります。チェーンカバーを外した方が見やすいのですが横着しました。
遊びを調節
指でグイッと持ち上げて、36mmから40mmの範囲に合わせます。
これにてチェーン調整は完了といった具合です。
シールチェーンとはいえ伸びますので、チェーン掃除の時にセットで確認すると安心ですね。
使用工具
今回は変わった工具が多数なので、いつもより写真が多めになってしまいました。
備えあれば憂いなしをモットーに工具集めをしているので、無駄な工具が多数ありますがやはり専用工具は使いやすい。
初心者だからこそいい工具を使ったほうがモノを破壊するリスクが減ると思っているので、身の丈に合わない優良工具をこれからも集めていくことになりそうです。
走行してみた感想
初心者レベルでも体感できる程、加速方向に仕上がり「まさに山で遊ぶためのバイク」といった面白さが味わえます。
特に気に入ったのが、エンストしにくいこと。1速でアクセルオフのクラッチを繋いだ状態で、リアブレーキを踏みつつけてもグイグイ進むのはありがたく超低速走行が楽に行えました。
まぁダートで面白いのはわかっていたので、山までの移動時(舗装路)はどうなのか。
一般道路と高速道路どちらも走ってみましたが、結論から申しますと「ギリギリ使用に値するレベル」といったところでしょうか。最高速に興味はありませんが、80km巡行がやっとで、それ以上出す気にはなれません。
私の場合、ハナから舗装路は捨てているので加速重視のセッティングでしばらく楽しもうかと思います。
次回はタイヤ交換の記事になる予定です。
それでは、また。